「高校を卒業したら就職しよう!」と心に決めていても、就活が目の前に迫ってくるまで、なかなか自分のやりたい仕事を決められない人もいるでしょう。高卒に向いているのはどの業界・職種で、一体どの資格を取得しておくべきなのでしょうか。今回は高卒での就職におすすめの業界・職種・資格について、企業選びや求人探しの参考になるよう一覧でまとめてご紹介します。
まずは、高卒就職の場合におすすめの業界についてチェックしていきましょう。
◆公務員
公務員は国に尽くすことを第一とし、国民の過ごしやすさのためにさまざまな業務を行います。会社の業績悪化でリストラとなる可能性がある民間企業と異なり、終身雇用がほぼ実現すること、福利厚生が充実していることなど、安定性が大きな魅力となっています。
ただし、公務員になるためには公務員試験を受験した上で、面接をクリアする必要があります。さらには受験にあたって年齢制限もあるため、自分が受ける予定のエリアの求人情報をよく確認するようにしましょう。
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◆建設業界
建設業界といっても、施工管理や設計、営業、事務などさまざまな種類の仕事が存在します。高卒者に向けての求人の多くは、建設現場で実際に体を動かし、建物の建設に関わる部門での採用となります。デスクワークの仕事と異なり、体力勝負の仕事となるのがポイントです。体を動かす現場職の場合、一般的な高卒者よりも給料の平均額が高い傾向にあります。
◆飲食業界
飲食業界でも高卒者の就職はしやすいと考えられます。なぜなら、外食産業という巨大なマーケットの中では慢性的に人材不足が叫ばれ、常に求人を出し続けている企業が多くあるからです。この業界で働き始めるにあたって、調理場などを除き、特殊な技能や知識が必須となるケースはあまりありません。そういった意味でも、飲食業界は新規高卒者にとって就職のチャンスが多い業界といえるでしょう。
◆IT業界
スマートフォンを持つ人が多数を占める世の中で、現代の生活はITと強力に結びついています。IT関連の企業も増加し続けている中、今後もIT技術は更なる発展を遂げると予想されるため、ITに関わる仕事は今後も非常に重要な仕事として数えられることでしょう。
IT業界といえば「ITの専門的な知識がなければチャレンジできない」と考える人が多いかもしれません。確かに高度なスキルを最初から必要とする求人も存在しますが、OJT(実践を通して学ぶ職業内訓練)を行う企業もたくさんあります。ポテンシャルを見込んで採用してもらえることもあるため、高卒者でも仕事先を見つけられるでしょう。
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続いては、高卒就職におすすめの職種を一覧で解説します。
◆事務職
事務職の中にも複数の種類があり、営業職の補佐を行う営業事務、経理や総務業務を担う一般事務、医療系の業務を扱う医療事務など多くの種類があります。それぞれで求められるスキルは若干異なるものの、パソコンスキルやコミュニケーション能力など、基本的な
必要スキルは同じです。コツコツと同じ作業を正確にこなせる人、周囲の人の話を聞きつつ細やかな気遣いができる人は事務職の求人に応募してみてもいいかもしれません。
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◆営業職
営業職は、自社のサービス・商品を顧客へ売り込み、売り上げへとつなげる職種です。新たな顧客を探す新規営業や、既存顧客向けに行うルート営業など、複数の種類があります。毎日のように初対面の人と顔を合わせることとなるため、コミュニケーション能力の高さが求められます。人見知りをせず、誰にでも話しかけられる人におすすめの職種です。
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◆接客・販売職
営業職と内容が近い職種ですが、営業がBtoB(企業向けの営業)を行うのに対して、接客・販売職はBtoC(一般消費者向けの営業)を行う点が異なります。接客・販売職の例としては、アパレルショップ定員やスーパーのスタッフなどが挙げられます。
高校生のときに接客・販売のアルバイトしていた人が、そのまま接客・販売職の仕事を続けるケースが多いです。その場合、身に付けたスキルを活かして働き続けることができます。人と話すのが好きな人に向いているという点で営業職と似ていますが、営業職よりもさらに一般消費者に近い距離での接客となります。「お客様の喜ぶ顔を直接見たい」という気持ちを持つ人におすすめの職種といえるでしょう。
最後に高校卒業後に就職するなら、どの資格を持っておくとよいのか、例を挙げて説明します。
◆自動車運転免許証
自動車運転免許証は、運送・配送業界でドライバーとして働く場合や、営業職として外回りを行う場合には必須の資格です。車の運転を必要とする職業も多いため、運転免許証を取得しておけば就職先の選択肢がさらに広がります。
◆簿記検定
事務職を目指すのであれば、簿記検定を受けておきましょう。あらゆる会社で事務職の求人があるため、就職後もオールマイティに活用できます。将来的には1級を取得できるのが望ましいですが、高校卒業後すぐに1級を持っていなくてもかまいません。
◆MOS
MOSは「マイクロソフトオフィススペシャリスト」の略称で、WordやExcelなど、マイクロソフト社のソフトをどれくらい扱えるのかを示す資格です。事務職として働く場合、MOSをあらかじめ取得しておけば履歴書でのアピールとなり、実際の業務でも役立ちます。
◆宅地建物取引士
宅地建物取引士は「宅建(たっけん)」という名で呼ばれる人気度の高い資格です。宅建がなくても不動産業界で働けるとはいえ、宅建の資格があることで業務の幅が広がります。 全体の合格率が15~17%と、多少難易度が高くみえるかもしれませんが、求人の選択肢も増えるため、不動産業界で活躍したいなら持っておきたい資格です。
高卒就職に有利な資格や資格取得方法については、以下の記事で詳細を説明しています。
高校生が資格を取得するメリットは?
高卒者向けにおすすめの業界・職種・資格を一覧でご紹介しました。以上の内容を参考に、自分に向いている就職先を見つけてみましょう。
ただし、ここで記載していない職種であるからといって、高卒者に不向きなわけではありません。どの職種が高卒者向けなのかが分からない場合は、学校の進路診断の先生や就職支援サービスなどに相談してみましょう。