女子高校生が卒業後すぐに就職する場合、どのような職種がおすすめなのでしょうか。 男子高校生は、現場で身体を動かす仕事など選択肢も多いです。
しかし女子高校生の場合は、そういった体力勝負の仕事に就くのは難しく、その分男子よりも就職先が少ないように感じられるかもしれません。
今回は、卒業後に就職を予定している女子高校生の皆さんに向けて、おすすめの職種や就職する際のポイントをご紹介します。
高卒女性の場合は、大卒限定の求人に応募できず、かつ肉体労働の現場で働くのが難しいという制約があります。そのため、「高卒の女性は他と比べて就職率が低いのではないか」と思う人も多いのではないでしょうか。
しかし、文部科学省が発表した「令和4年3月高等学校卒業予定者の就職内定状況(令和4年3月末現在)に関する調査について」高では、高校卒業後の女性の高卒就職率は97.0%という高い結果が出ています。つまり女子高校生であっても、高校卒業後に就職をすることは可能であるということです。
参照:文部科学省「令和4年3月高等学校卒業予定者の就職内定状況(令和4年3月末現在)に関する調査について」
高卒で就職する予定の女子高校生には、どのような職種が人気なのでしょうか。次の項目では女子高校生におすすめの職種をご紹介します。それらの仕事内容、高卒の女性におすすめな理由についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
事務職は基本的にデスクワークのため他の職業に比べ肉体的な負担が少なく、女性の割合が多く人気の高い職種です。
残業の量は企業や部署によって大きく異なります。
一口に「事務職」といっても、書類整理や電話対応などの事務作業、企業の顔となる受付対応などその仕事内容は様々です。
オフィス内で書類の確認など地道な作業に真面目に取り組める人、周りの人とのコミュニケーションが苦にならない人に向いています。細やかな気配りや丁寧な対応が必要であるという点で、女性に向いている職種といえるでしょう。
プログラマー・エンジニアも基本的にデスクワークであり肉体的な負担が少なく、またIT化の進む社会において需要の高まっている職種です。
事務職同様、地道な作業に真面目に取り組める人、開発チームなど周りの人とのコミュニケーションが苦にならない人、新しいことにチャレンジできる人に向いています。
働きながらスキルを磨くことができ、特定のスキルや技術を求められる職種のため、将来的にキャリアアップや転職、フリーランスとして活躍したりするなど、多様な道筋を選べます。
学歴よりもスキルが重視される業界ですので、最低限のプログラミング知識を学んでおくとよいでしょう。
営業職においては、学歴はさほど重視されません。高卒・大卒を問わず、成果を出せば高い評価を得られる職種です。話すことが好きな女性、仕事の結果が数字として表れることにやりがいを見出せる女性に向いています。
歩合制(インセンティブ制度※)を採用している会社であれば、実績を積み重ねるほど月収(月給)がアップするため、モチベーションを保ちつつ働くことができるでしょう。
化粧品会社や保険会社、アクセサリーの製造販売メーカーなど、女性が中心となって活躍している会社もあります。どのような業界であっても、基本的に「営業」という仕事は存在するため、一つの業界で得たスキルを他の業界でも活かして活躍出来るのが営業の特徴です。
※インセンティブ制:売上や成果に応じて支給される成果報酬のこと
公務員は、いわゆる「国や行政(=国民)に尽くす」仕事となります。自分の仕事が地域のインフラの一環を担い、国民の生活を支えているという実感が、日々のモチベーションとなるでしょう。
公務員が高卒女性におすすめである理由としては、大卒者とは別に高卒者向けの募集があることが挙げられます。
高校卒業後に公務員として働く場合は、一般的に「公務員初級職」や「国家一般職(高卒者試験)」と呼ばれるものを目指します。これらの職種を目指す場合は、高校(もしくは中等教育学校)卒業後2年以内が受験資格となっているため、早めの対策が必要です。
また、公務員は一般企業よりも育児休暇を取得しやすい傾向にあり、女性にとって働きやすい環境が整っています。妊娠・出産後に職場復帰し、定年まで働く女性も多く存在します。
参照:人事院「国家公務員採用一般職試験(高卒者試験)受験案内」
介護業界は女性の割合が高く、少子高齢化にともない人材不足が叫ばれている業界です。
公益財団法人介護労働安定センターが公表した「令和3年度「介護労働実態調査」結果の概要について 」介護業界の人材不足を感じている人の割合は、全体の63.0%という結果が出ています。そのような理由により介護業界は高卒の女性にとってもチャレンジしやすい業界であるといえるでしょう。
全国労働組合総連合の「2019年版介護労働実態調査」によると、全体の65.3%が「この仕事にやりがいがある」と回答しています。
施設利用者から直接感謝され、今までできなかった事ができるようになるなどの成長を日々間近で見られるという点に、やりがいを感じられる女性が介護職に向いています。
参照:介護労働安定センター「令和3年度「介護労働実態調査」結果の概要について 」、全国労働組合総連合「2019年版介護労働実態調査」
女子高校生が高卒で就職する際には、どのような点に気を付ければよいのでしょうか。
自分に合った就職先を決めるためにも、以下のポイントについて知っておきましょう。
気になる業界・職種があるからといって、一つの業界だけにこだわりすぎてしまうと、就活に失敗してしまうおそれがあります。
興味がある業界だけに目を向けるのではなく、自分の適性も踏まえて企業研究を行いましょう。自分にとって最適な仕事に出会うためには、自己分析をしっかりと行った上で、様々な業界・職種に目を向けてみることが大切です。
たしかに高卒就職の場合は、大卒に比べて初任給が少なく、選べる企業にも制限があります。そのような現実を見ると、学歴コンプレックスを感じる場面もあるでしょう。しかし、「高卒である」「女性である」という理由で、自分が目指したい道をあきらめる必要はありません。
日本では男女雇用機会均等法により、一部の職(守衛・モデル・巫女など)を除き「男性限定」「女性限定」という形での求人が禁じられています。学歴や性別に囚われず、自分の本当にやりたい仕事について検討してみることが重要です。
また、求人によっては「学歴不問」としているところもあるため、そういった求人を探すのも手段の一つです。
参照:厚生労働省「男女均等な採用選考ルール」
高校に通っている段階では、10年後20年後の未来はなかなか想像できないかもしれません。
しかし、高校卒業後すぐに結婚・出産を考えるケースは少ないとしても、将来的に自分がどのようなライフステージを歩みたいのかを、早めに考えておきましょう。
大切なポイントとなるのが、就職を希望している職種が、「自分の望むライフステージへとつながっているのか」、という点です。結婚・出産、老後など人生の節目にこういう風に過ごしていたいなど、自分の理想とする姿をできるだけ具体的に想像してみるのも重要ですし、就職先を決めるにあたって、実際にその道で働いている先輩の意見を聞いてみるのもおすすめです。
家族とゆっくり過ごしたいのに、休みが取りづらかったり、夜勤が多かったりすると、理想とはかけ離れてしまいますので、あらかじめ人生の節目をイメージしておくといいでしょう。
一般的には、中途採用や転職のイメージが強いハローワークですが、高卒者向けの就職支援も行っています。厚生労働省の調査によると、ハローワークでの高校新卒者の有効求人倍率は年々上がっており、令和4年度には3.01倍を記録しました。
またハローワークでは就職相談を受け付けており、面接対策など就職支援のセミナーも開催されていたり、「わかものハローワーク」と呼ばれる若者(おおむね35歳未満)をターゲットにした就職支援を行う制度も存在しますので、女子高校生のみなさんも必要に応じて利用してみるとよいでしょう。
厚生労働省「令和4年度「高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職状況」取りまとめ(令和4年7月末現在)」、「わかものハローワーク」
女子高校生が高卒での就活を成功させるためには、学歴や性別のコンプレックスに囚われず、自分に一番合った道を探し求めることが大切です。
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