進路に悩んでいる高校生に向け、前回の【大学の種類・専門学校との違い】に引き続き、今回は【大学のメリット・デメリット、選び方】について解説していきます。
高校2年生は秋頃になると、卒業後の進路について真剣に考えなくてはいけない時期に差し掛かってくるので、「すでに就職・進学か決めて準備をしている!」という方もいれば、「就職か進学、専門か大学で悩んでいる…」「就職するにはまだ早い・・・」「もう少し学生でいたい・・・!」という方は読んでみてください。
前回は大学の種類について解説しましたが、大学への進学は、どのようなメリット・デメリットがあるのか、次の項目で見ていきましょう。
大学は、専攻した分野を4年間じっくりと時間をかけて勉強することができるため、実践的な知識のほか論理的により学び、深く知識を身につけることができます。
また専門的な知識だけでなく、大学では一般教養も学べるため、今後社会に出た際に活かせる一般的な知識も身につけることができます。
さらに深く知識を学びたいという場合は、大学卒業後は就職せずに大学院に進学することも可能です。
そして最大のメリットは、就職をする際に大学卒の場合、ほとんどの企業に応募可能である点です。
高校卒や専門卒の場合、企業により応募不可の所もまだ少なくありません。ですが、大卒であれば医療関係などの免許や特殊な技術が必要な職種を除き、多くの企業が社員として受け入れています。
そのため、「将来の夢や就きたい仕事は決まっていないが、大企業などの安定した企業に就きたい」という場合、大学へ進学することにより将来の選択の幅を広げることができます。
大学には入学試験(入試)があり、各科目の筆記試験が行われます。専門学校と比べると入試の難易度も高いため、高校生の間にしっかりと勉強や受験対策を行わないと志望大学には入れません。
推薦型選抜の場合でも、高校時代の成績などが一定の基準を満たしていないと高校からの推薦書が得られないため、普段からしっかりと学業や行事などの文化活動に励むことが大切です。
また、大学は最低でも4年間かけて学ぶということもあり、学費などの経済的負担が大きいです。
文部科学省の「令和5年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金等 平均額(定員1人当たり)の調査結果について」によると、各学部の初年度に納めなくてはならない学費の平均は以下になります。
文系・・・ 1,194,841円
理系・・・ 1,530,451円
医歯系学部・・・ 4,821,704円
その他学部・・・1,460,542円
ちなみに令和元年がこちら。「令和元年度私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果について」
文系・・・1,172,582円
理系・・・1,549,688円
医歯系学部・・・4,803,378円
その他学部・・・1,451,302円
理系は減少していますが、過去5年間で納付金が少しずつ上がってきているのがわかります。
そのため、専門学校に進学する場合にも同じことが言えますが、進学するには必ずこのお金が必要なるので、奨学金制度を利用したりアルバイトをするなど、学業以外についても事前にしっかりと考えなくてはなりません。
参照:文部科学省「私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」
大学は全国様々な場所にありますが、特徴は様々です。
次の項目では、大学の選び方を見ていきましょう。
まずは、気になる・目指す分野や通学エリアに合わせて資料請求を行いましょう。
同じ分野でも大学によってカリキュラムや設備は異なるため、気になっている大学はもちろん、様々な大学のパンフレットを取り寄せるのがおすすめです。
パンフレットが届いたら、自分が学びたい内容なのかをよく確認・比較をして、マッチした大学を見つけましょう。
・どのようなカリキュラムになっているか
・どのような資格を取得できるのか、資格の合格率はどれくらいなのか
・就職や資格を取得するための指導やサポート/対策はどんなものが行われているのか
・大学にはどんな施設や設備が備わっているのか
・卒業生の就職先や就職率
など、同じ学部でも大学によって内容は様々です。
興味のある大学をいくつか見つけたら、次はオープンキャンパスに参加してみるとよいでしょう。
大学の校舎や先生・学生の雰囲気、施設の広さや設備、アクセスの良さなど、実際に行かなければわからないものもあります。
また、オープンキャンパスでは気になっていることを質問できたり、先生や在校生の話が聞けることもあります。
オープンキャンパスは基本何度でも参加できるので、大学の雰囲気を知るのために可能であれば複数回参加しておくのもおすすめです。
様々な大学を比較し、自分に合った大学を見つけることができたら、入学試験に向けてしっかりと受験対策をしていきましょう。
今回は前回に引き続き、進路に悩んでいる高校生のみなさんに向け、大学について解説しましたが、いかがでしたか?
進学は大学に限らず、短期大学・専門学校などもあり、選べる進路は様々です。今回説明したように、大学は専門知識を深く学びながら一般教養も学べ、就職の幅が広がる事がメリットですが、入学の難易度や経済的負担が大きいなどのデメリットもあります。
「将来の夢は決まっているが、経済的な理由により大学は難しい」という場合は専門学校への進学を視野に入れたり、大学や専門学校は、18歳以上かつ高校卒業か同程度の学力があると認められる者であれば、入学するにあたっての年齢の上限は設けられていないため、まずは一度企業に就職をした後、社会人を経験してから進学をするという手もあり、最近ではそのようなキャリア形成をする方も増えています。
しっかりと自分の将来と向き合って、自分に合った大学やその他の進路を見つけてみてくださいね!