高校3年生になると、みなさんの将来に大きく影響する進路選択があり、就職か進学を決めなければいけません。
やりたいことが曖昧だけど両親に負担はかけたくない。だから、とりあえず奨学金をもらって進学……という生徒もいますが、奨学金は自分が将来必ず返さなくてはならないお金なので注意が必要です。
今回の記事では「就職か進学で悩んだ場合に考えておくべきポイント」を紹介していきます。
■奨学金とは……経済的理由で進学できない人に対して、学費や生活を経済的に支援してくれる制度です。
奨学金は卒業後に毎月返済しなくてはならないので「借金」として認識する必要もあります。
例えば毎月5万円の奨学金を4年間受けた場合、大学卒業時には240万円もの借金!
奨学金で高いお金を借りた分しっかり勉学に励むことはもちろん、卒業後は最大20年もかけて毎月返済していかなくてはなりません。
2019年に労働者福祉中央協議会が実施した調査では、
奨学金の借入総額:平均324.3万円
借入総額「500万円以上」:12.4%
という結果が出ています。
参照:労働者福祉中央協議会「奨学金や教育費負担に関するアンケート調査(調査対象:勤労者16588人)」
実際に「奨学金が返せない!」と自己破産してしまった人もいるため奨学金を借りるリスクはしっかりと考えておく必要があります。
高校就職を選ぶメリットとして、奨学金で借金を抱えることなく自分のキャリアと大卒の最終学歴を得る方法があります。
一度社会人として高卒就職し、必要なお金を貯めてから社会人で大学に通うことで奨学金で借金を作ることもなく、卒業後は大卒として扱ってもらえるので、さらに給与がアップするでしょう。
その他の選択肢として、就職後に夜間大学や専門学校に通うといった道もあるため、高校卒業後の進路は柔軟に考えてみるといいでしょう。
専門知識を学ぶ大卒や専門卒のほうがキャリアを多く積めると考えがちですが、「キャリア=仕事の経験」と置き換えると、高卒のほうが4年も多く仕事でキャリアを積むことができます。
大学で学んだ知識を直接仕事に使えるケースは少なく、専門職の場合は研修や下積み期間が必須となるでしょう。
社会に出ると学歴は関係なく「仕事のキャリアや経験」が重要視されます。大卒よりも4年も早く社会人歴を積めるという点は、高卒就職の中でも特に大きなメリットです。
就職か進学。どちらにしても自分の将来に影響する選択になります。
一番大切なことは「自分が本当にやりたいこと・必要なこと」なので、周りの友達が進学するからといって、それに合わせて自分も安易に進学を選択するのではなく、今一度自分の意思と向き合ってから進路を決定していくことが大切です。
なんとなくで奨学金を借りて進学をしてしまうと卒業後に借金だけが残ってしまうリスクもあるため、返済のことまでしっかりと考えて卒業後に困らない人生計画をしてみてくださいね。