「実家から通えない地域に就職する」「就職を機に自立したい」などの理由で、一人暮らしを始める高卒者も多くいます。
そこで、新生活を始めるにあたって最も気になるのが一人暮らしにかかる費用です。たとえ一人暮らしが可能であったとしても、高卒新卒の初任給(給与)は多くないので家賃と生活費だけで給与を使いきってしまう状況は避けたいところ。
今回は、高卒で就職後の一人暮らしのメリット・デメリット、貯金の方法についてご紹介します。
まずは、一人暮らしにかかる平均的な費用について見ていきましょう。
総務省統計局「家計調査 家計収支編 単身世帯〈用途分類〉1世帯当たり1か月間の収入と支出/住居の所有関係別 2021年」によると、地域差もありますが一人暮らしのの平均家賃は、1ヶ月当たり5万854円ででした。若い人の多くがワンルームや1Kの部屋を借りています。
ただし、地方であれば4万円台〜6万円台で住める物件だとしても、都心部では8万円以上かかることもあります。地域によって最低賃金や物価も異なるため、自分の給料とのバランスを考えつつ、どこまで家賃を支払えるかを考えなくてはなりません。
次に、食費や光熱費の平均的な費用の目安も見ていきましょう。総務省統計局の「平成26年全国消費実態調査」によると、単身世帯における消費支出の平均額は以下の通りです。
食費:39,279円
光熱・水道費:11,079円
交通・通信費:21,456円
教養娯楽費:21,072円
参照:総務省平成26年全国消費実態調査 結果の概要
これらの項目を合計しただけでも、約9万円かかります。
もちろん、賃貸物件に住んでいるなら家賃の支払いも必要です。先程ご紹介した一人暮らしの人の平均家賃(約5万円)をプラスすると、合計で14.5万円の費用がかかる計算となります。さらには、男女差や個人差が大きい部分ですが、日用品代、交際費、服飾費、医療費などの用意も必要です。
すべての生活費用を計算して考えると高卒の一人暮らしには、それほど金銭面でのゆとりがないことが分かります。気の向くままにお金を使っていると、生活費が足りなくなる可能性があります。自分の年収、月収、そして税金等のお金の計算をしっかり考慮してどのくらい生活に使うかを設定しましょう。
費用を抑えて生活する必要があるとはいえ、せっかく一人暮らしをするなら一人暮らしならではの開放感も捨てがたいものです。次は、高卒就職で一人暮らしをする場合のメリット・デメリットについて説明します。
高卒就職で一人暮らしを始めれば、大卒者よりも早めに自立することが可能です。自分一人の生活となると、住まいに関する手続きや家計の管理、食事の用意などを自分で行わなくてはなりません。高校時代には無かったような経済面や生活面を考えることが増えるので、物事を自分で解決する力もつきます。
中には会社の福利厚生として、寮の提供や交通費、一人暮らしの場合の家賃を負担してもらえることもあります。福利厚生が充実してる会社を選べば、一人暮らしでも手元に余るお金は多少増えるので、、家賃や交通費を会社が負担してくれる求人への就職も視野に入れてみるとよいでしょう。
実家暮らしと比べると、やはり一人暮らしの方が出費が多くなりがちです。社宅や寮に住めば家賃を抑えられるものの、近所が会社の人で気が休まらないこともあります。そして辞めると同時に退去しなくてはならないのもデメリットです。アルバイト生活のフリーターではないとはいえ、やはり生活の安定度では実家暮らしに軍配が上がります。
「高卒で一人暮らしをしたいけど、貯金は可能なの?」と気がかりな人もいるのではないでしょうか。
結論からいうと、高卒の一人暮らしでは金銭面でのゆとりが少ないため貯金の難易度は高いものの、心がけ次第で少しずつお金を貯めることは可能です。貯金をするためのポイントを以下で解説しますので、参考にしてみてください。
まずは、無理のない範囲で貯金の目標金額を決めてみましょう。具体的に金額を設定することで、気持ちが前向きになりモチベーションが上がります。努力した結果が分かりやすく数字として表れるので、楽しく貯金を続けられるでしょう。
「1週間」「平日の5日間」など、一定期間ごとに使えるお金の上限を決めておくのも効果的です。
1ヵ月分をまとめて財布に入れてしまうと、ついつい使いすぎてしまうこともあります。年収や月収から使う金額を計算し、必要な分だけを取り分け、一定期間ごとの残額が分かるようにしておきましょう。
無駄な出費を抑えたいなら、給与振込の口座と貯金用口座を分けておきましょう。貯金したい金額を決めておき、給料日に貯金用口座へ自動送金されるよう設定しておくと便利です。
すべての希望条件を叶える部屋を選ぶと家賃が高くなり、貯金ができないだけでなく生活費にゆとりがなくなってしまいます。部屋選びの際は、妥協できる条件がないかを考えつつ、なるべく安い家賃の賃貸物件を選びましょう。
基本的には、実家暮らしよりも一人暮らしの方が出費が多くなります。しかし「早めに自立できる」「生活の自由度が高くなる」など、一人暮らしならではのメリットも見逃せません。
たとえ就職したばかりで給料が少ないとしても、もしもの時に備えてコツコツと貯金をしておきたいものです。節約の仕方や貯金をするためのポイントを知り、計画的にお金を貯めていきましょう。