高卒就職を検討するとき、高卒や大卒の年収の差が気になりますよね。今回の記事では、高卒就職の平均年収や高年収を得る方法、高年収が見込めるおすすめの業界について解説します。
高卒就職では、どれほどの年収が見込めるのでしょうか?厚生労働省の調査をもとに、大卒就職と比較した場合の年収相場を見ていきましょう。
◆高卒と大卒の初年度年収
初任給を含む初年度年収は、その仕事のスタートラインとなる年収。初任給の相場は高卒が約16.7万円、大卒が約21.0万円で、その差は3.3万円ほどです。
初任給から高卒、大卒それぞれの初年度年収を考えると、単純計算(×12ヶ月)で高卒が約198万円、大卒が約247万円となり、その差は約52万円です。
高卒 |
大卒 |
学歴による差 |
|
初任給 |
約16.7万円 |
約21.0万円 |
約3.3万円 |
初年度年収 |
約200万円 |
約252万円 |
約52万円 |
◆高卒と大卒の平均賃金比較
一般的に、勤続年数や年齢が上がるにつれ、収入は増加します。収入は性別によっても差があるため、以下では30~34歳を例に、男女の平均月給を確認しておきましょう。
高卒 |
大卒 |
学歴による差 |
||
平均月給 |
男性 |
約26.1万円 |
約31.4万円 |
約5.3万円 |
女性 |
約21.2万円 |
約27.5万円 |
約6.3万円 |
◆高卒と大卒・大学院卒の生涯賃金比較
生涯賃金は一生のうちに得られる賃金のことです。高卒の場合、男性が約2億1,300万円、女性が約1億5,200万円という統計が出ています。大卒・大学院卒では、男性が約2億6,900万円、女性が約2億1,700万円の生涯賃金を得られるといわれ、学歴による生涯賃金の差は男女ともに5,500万円以上の差が出ることが分かります。
出典:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「生涯賃金など生涯に関する指標|ユースフル労働統計 2021 」
高卒 |
大卒・大学院卒 |
学歴による差 |
||
生涯賃金 |
男性 |
約2億1,300万円 |
約2億6,900万円 |
5,600万円 |
女性 |
約1億5,200万円 |
約2億1,700万円 |
6,500万円 |
高卒就職は、統計上では、大卒よりも平均年収が低いことで知られます。しかし、高収入に繋がる以下のポイントを押さえた就職活動・キャリアアップができれば、高卒で高年収を目指すことが可能です。
◆年収の高い業界を狙って就職する
平均年収が高い業界やキャリアアップを目指しやすい業界を選ぶことで、高卒でも高収入を得られる可能性があります。高年収を目指しやすいおすすめの業界については、下記の業界別年収ランキングを参考にしてください。
◆希少性の高いスキルを身につける
ネット社会が普及・浸透している昨今、ITやwebマーケティング、通信関連の知識やプログラミングのスキルを身につけておくと、技術者としてキャリアアップしやすく、高年収を目指すことができます。半導体や電子機器まわりのスキル、AI技術など、需要と希少性が高い技術の習得を目指してみましょう。
◆数年経験を積んだ後、同業界の会社に転職する
ひとつの会社で経験を積んだ後に同業界の会社へ転職すると、前社よりも好待遇で就職できるケースがあります。例えば、即戦力となる営業スキルや専門技術・資格を身につけていることなどが挙げられます。こうした業界経験者は役職や手当がつきやすく、年収アップを図りやすいです。
◆非正規雇用で大企業に入り、正社員登用を目指す
大企業の年収は中小企業の年収に比べて2割ほど多いといわれています。そのため、高卒で高収入を目指す際は雇用形態にこだわらず企業規模を優先し、数年後に正社員登用を目指すというのもひとつの方法です。
参照:令和元年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況:3 主な産業別にみた初任給
◆第1位:建設業
高卒の平均年収:211万3,200円
◆第2位:情報通信業
高卒の平均年収:205万2,000円
◆第3位:卸売業および小売業
高卒の平均年収:202万0,800円
◆第4位:教育および学習支援業
高卒の平均年収:201万7,200円
◆第5位:宿泊業および飲食サービス業
高卒の平均年収:201万3,600円
高卒で就職した場合の年収は、統計上は大卒より低いのが現状です。高卒で高年収を得るためには、まずは「年収が高い仕事に就く」ことや、「就職後にスキルを磨いて年収アップを目指す」ことを重視しましょう。高卒者が多い業種は学歴に関係なく就職できるチャンスが豊富で、将来を見据えた業界選びや計画的なスキルアップをしていくことで高年収を実現できます。今後のキャリアに関わる「今」を大切に、目標達成のためにも慎重な決断をしていきましょう。