
内定後の3年生の期末テストは高卒就職に関係する?
就職が決まって、少し気が抜ける11月〜12月の時期。
「もう就職先も決まってテストなんて関係ないし、受けなくてもいいんじゃないか…」と思う人もいるかもしれません。
実際のところ、就職後に学校の成績はどれくらい関係があるのでしょうか?
今回は、期末テストを真面目に受けることで得られる意外なメリットを紹介します。
1. この時期のテストの取り組み方
「どうせ社会に出たら勉強なんてしないし」「就職が決まった後の成績なんて関係ないでしょ」と思う人も多いかもしれません。
しかし、実は成績や授業態度は社会人になる準備の一部になります。
1.提出物や締切を意識する → 期限を守る力が社会人の基本
2.苦手教科も1つだけは頑張る → 最後までやりきる力を実感できる
3.ミスをしたら次に生かす → 改善する力はどんな仕事にも役立つ
学校での評価は、単にテストの点数だけでなく、「期限を守れる」「最後までやりきる」「周りと協力できる」などの姿勢も含まれています。
そうした部分は、就職後の「仕事ぶり」や「信頼される人かどうか」に直結します。
つまり勉強そのものより、「取り組み方」が社会に出てからの力になります。
2. テストを真面目に受けないとどうなる?
一番怖いのは、万が一単位を落として卒業できなくなってしまうことです。
高卒での採用は『高校を卒業すること』が絶対条件なので、卒業できなければ内定は取り消しになってしまいます。最後の最後でそんな悲しいことにならないように、最低限のラインは絶対にクリアしておく必要があります。
また、テストや学校の成績が悪いと、企業に悪い印象が伝わってしまうことがあります。
多くの高校では、就職が決まった生徒の成績や出欠の状況、生活態度をまとめて、入社手続きの際に、学年末までの最終成績(調査書)を企業に提出することが多いです。その時、採用担当者は最後の成績までしっかり見ています。多くの高校では、就職が決定した生徒について成績や出欠状況、生活態度などをまとめた「調査書(最終成績)」を、入社手続きの際に企業へ提出することが一般的です。企業の採用担当者は、この調査書に記載された学年末までの成績をしっかりと確認しています。
そこで「テストを受けなかった」「提出物を出さなかった」などが記録に残ると、「入社前から気がゆるんでいる人なのかな?」と見られてしまうこともあります。
実際、内定取り消しまでいかなくても、「評価に影響する」「印象が下がる」といったケースが存在します。
3.就職が決まっている人にとっての期末テストとテスト勉強のメリット
逆に、高校生活最後のテストをしっかり受けることで得られるメリットも大きいです。
期末テストは社会人の予行練習になります。
就職先が決まった今、このテスト勉強は「やらされる勉強」ではありません。入社後に必要となる「仕事の進め方」を練習できるシミュレーション期間です。
・『プロジェクト管理能力』が身につく
仕事とは、目標に向かって、計画を立てて、期限までに成果を出すことです。これは期末テストのプロセスと全く同じです。 「この科目は80点を目指そう」「この苦手科目は60点を死守しよう」と目標を立てて、勉強法やスケジュールを考え、戦略を立てて実行する力は、入社後すぐに「プロジェクト管理能力」として役立ちます。
・苦手なタスクへの対処法を学べる
社会に出ると「この仕事は嫌いだけど、明後日までに終わらせないといけない」という場面が必ず出てきます。
「正直、この教科は嫌いだ。でも単位は必要だ」という今の状況は、まさにその予行演習です。「嫌いなこと」から逃げずに、どうすれば効率よく最低限のラインをクリアできるか、工夫して乗り越えた経験は、あなたの「タスク処理能力」として自信になります。
・『専門知識』が本物の武器になる
今勉強している物理や数学の公式は、入社後に「品質管理」や「製品開発」の現場で「なぜそうなるのか」を理解するための基礎知識になります。
また、簿記や情報処理の知識は、経理や事務職ですぐに即戦力として評価されます。
英語は、将来サービス業や観光業で働くなら必須のスキルです。「政治・経済」や「現代社会」で学ぶ知識は、取引先の業界ニュースを理解したり、上司との会話で「世の中のことを知っているな」と感心されたりする「教養」として必ず役立ちます。
頑張って損をすることはありません。
むしろ社会人デビュー前の練習期間だと思うと良いトレーニングになります。
4.今後の社会人の勉強について
高校を卒業しても、勉強が終わるわけではありません。
社会に出ると、マナー、パソコンの使い方、専門知識など、仕事に関する新しい学びが次々に出てきます。社会人の勉強は「自分の成長のため」にやるもの。
誰かに言われてやるテストとは違い、自分で課題を見つけて学ぶ力が求められます。だからこそ、今のテスト期間を「自分で物事を計画して頑張る練習」として活かすのがおすすめです。
これからの仕事にも必ずつながっていくので、努力のための一歩を踏み出してみましょう。
