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SNSで学校や内定先、職場の特定が容易な発信に気をつけよう!

就活講座・マナー

SNSで学校や内定先、職場の特定が容易な発信に気をつけよう!

スマートフォンの普及とともにSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)は生活の一部となり、多くの人が日常の出来事や考えを手軽に発信できるようになりました。 特に高校生や社会人の間では、学校生活や職場での出来事を友人に共有することも多くなっています。

 

しかし、その中には学校名や内定先、勤務先など特定されやすい情報を不用意に発信しているケースも多く見受けられます。 こうした情報の発信は、本人だけでなく周囲の人のプライバシーや安全にまで関わる重大なリスクをはらんでいます。

 

そこで今回は、SNSでの情報発信がもたらすリスクと注意点について具体的に解説します。

 

 

1. 自身の個人情報漏洩リスクの増大

SNSにアップロードするために自撮りをする高校生

まず最も注意したいのは、学校や職場の情報を含めた投稿が原因で、自分の個人情報が外部に漏れてしまうリスクです。
SNSは多くの人が見ることができる公開の場であるため、例えば「〇〇高校に在籍しています」「〇〇株式会社で営業をしています」などの情報が記載されていると、簡単にあなたの居場所や活動場所が特定されてしまいます。

 

学校名や会社名を伏せていても、制服姿や背景の写真、会社の書類・仕事中のPCのモニター画面が写り込んだ写真等から情報が特定されるケースもあります。

 

悪意ある第三者がこうした情報を利用し、ストーカーや嫌がらせ、詐欺のターゲットにされる可能性も否定できません。
もしあなたが希望する就職先から内定を獲得し喜びをSNSで共有したいという時は、会社名は伏せ、内定通知の書類も上げずに発信をしましょう。

 

不用意に職場の内部情報やスケジュールを投稿すると、勤務先の信頼を損なったり、情報漏えいとして社内で問題になることもあり、場合によっては退職せざるを得なくなったり、入社前の場合は採用された企業から内定が取り消しになるリスクもあります。

 

2. 他人のプライバシー侵害にもつながる

自分だけでなく、友人や高校のクラスメイト・職場の同僚など、他人の情報を含む投稿にも最新の注意が必要です。
自分以外の氏名や居住地などの個人情報、その場にいた人の素顔が写り込んでいる写真や動画などを本人の同意なく掲載することは、プライバシー権の侵害となる場合があります。
自分が気にしていなくとも、その情報が予期しない形で広まり、トラブルに発展することは珍しくありません。

 

特に会社では、「守秘義務」や「プライバシー保護」に関する規定を設けているところも多く、違反すると懲戒(※)の対象となることもあります。

※…規則を破った者に課される処罰

 

SNSの投稿が思わぬ形で周囲に影響を与え、関係性を悪化させることもあります。
したがって、第三者に影響がある内容を発信する前には必ず本人の了承を得ることや、モザイク等をかけて個人が特定されないような工夫を行うことが重要です。

 

3. 知らずに犯罪行為になってしまう可能性も!?

SNSの使い方に悩む高校生

さらに見落としがちなのは、SNS上の行為が法律違反や犯罪行為とみなされる場合があることです。

 

例えば、勤務先の機密情報や個人情報を許可なくSNSに載せることは「営業秘密の漏えい」として、契約違反や法的責任を問われるケースもあります。
知らず知らずのうちにこうした違法行為を行ってしまうと、刑事罰だけでなく社会的信用の喪失にもつながります。

 

特に、高校生に人気のSNSアプリ「BeReal」では、2分以内に無加工の写真を投稿しないと他の友人の投稿を見られないというルールがありますが、友人の投稿が見たいからと以下の行動を行うと、犯罪行為となってしまう可能性があります。

 

  • ・撮影禁止の場所での撮影(施設管理権・肖像権・著作権の侵害)
  • ・自分以外の人物が写り込んだ撮影(肖像権の侵害)
  • ・会社の書類やモニター画面が写り込んだ撮影(営業秘密の漏えい等)
  • ・更衣室などでの撮影(撮影罪・迷惑防止条例の違反)

 

SNSではどこで情報が漏れ出て拡散されるか分かりません。「許可した人しか閲覧できないから…」と言って安易に投稿することは控えましょう。

 

また社会人になった際、勤務時間中にプライベートな写真撮影を行うことはマナー違反であり、会社内での信用低下や給与面などの評価にも繋がるので絶対にやめましょう。

 

4. 安全にSNSを利用するためのポイント

SNSは便利で楽しいツールですが、リスクを理解し適切に使うことが大切です。以下のことを意識しましょう。

 

・学校名や会社名を明かさない

場所や組織名を特定できる投稿は避け、あいまいな表現を使うなど工夫しましょう。

【例】

「〇〇(学校や会社名)で◻︎◻︎で△△なこと(個人名や役職・出来事の詳細)があった」
と言った内容は、
「学校(会社)で面白い出来事があった」など、大きな定義の表現に留める。

 

・友人や同僚の許可を必ず取る

トラブル防止のためにも、写真や情報をSNSに投稿する前には相手の了承を得ましょう。

 

・プライバシー設定を見直す

投稿を見ることができる範囲(公開・友達のみ・非公開など)を適切に設定し、見知らぬ人のアクセスを制限しましょう。

 

・機密情報や他人のプライバシーを侵害するような投稿はしない

会社や学校の内部・顧客情報、個人を特定できるような情報は絶対にSNSに載せないこと。

 

5.まとめ

SNSで学校や内定先、職場を特定できるような発信は、自分の個人情報流出や他人のプライバシーの侵害、さらには犯罪行為に繋がるリスクをはらんでいます。
何気ない投稿が大きな問題を引き起こすこともあるため、発信前に「この情報で個人が特定されてしまわないか」「許可なく他人の情報を扱っていないか」を必ず考えることが必要です。

 

情報社会において、自分と周囲の人の安全を守るためには、SNSの使い方に対する正しい知識と慎重な姿勢が求められています。
日々の投稿を楽しみながらも、安心・安全なSNS利用を心がけましょう。

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